Sunday, 7 September 2008

音楽のある生活


ドイツ2年目に突入だからってわけでもないんだけど、
こっちに来てからの1年の間に聴いていた音楽を
振り返ってみようかなと思う。

ドイツで生活をはじめてからも、
MTV見たり、ラジオ聴いたりして、
今の音楽もわりとチェックしてはいるんだけど、
結局iTunesに入れてかけまくるってほどの曲には
なかなか出会えない。
iPodに入れて外に持って行くってなるとなおさらだ。
だから普段は、以前から聴いてる音楽をかけてることが
多くて、そこに時々、お気に入りの曲が追加されていく
ような日々だった。

それでもこの1年は、こっちの生活が落ち着くまで、
少しバタバタしたり、考えることも多くて
わりと忙しく過ごした時期もあったし、
新しい出会いとか経験もあったし、
むしろ音楽を聴くことは多かったように思う。

全ては書ききれないし、きりがないので、
今回はその中から5枚だけ紹介してみます。


『The Bluetones』The Bluetones

The Bluetonesの同名アルバム。
はじめて聴いたのは高校の頃だけど、そのころから
ずっと好きなバンドだ。
当時のブリットポップって、もともとThe Beatlesとか
The Whoとか60年代のロックに惹かれていた私たちにとって、
とてもさわやかな衝撃があった。
自分達が10代だったのも相当関係してると思う。
これはその彼らの5枚目。
この世代って他にもいいバンドがいっぱいいたんだけど、
ほとんどがその時代を過ぎた後、消えていってしまった中、
The Bluetonesはずっと自分達の音楽を続けてきた。
私もなぜか、毎回出るかわからないアルバムに期待しながら、
ずっときて、この5枚目。
いい年のとりかたしてるなあと思う。
アルバムセールスとは関係なく、間違いのない、
真っすぐで、正直な変化。
こんなバンドっていいなあと思う。
兄ちゃんの声は相変わらず淡いし、
雨が降ったりして外に出たくない休日でも、
天気のいい日に出かける車の中でも、
ゆっくり聴けるアルバムだと思う。




『Sweet Dogs』Trolle Siebenhaar

何で知ったのか覚えてないんだけど、
日本を出てすぐ、Ane Trolleのたまに「キィン」てなる声と、
愛らしさにやられて、何回も聴いていた。
この曲自体は、少しメランコリーでヒップでポップな、
わりと単調なシングルなんだけど、なんだか延々とかけていた。
ちょっと上がり気味のテンションを1回下げて、
そこから少ーしずつ上げてくれるような。
これビデオもいい。
いやらしい意味じゃなく、ちょっといい売りかたしてると思う。
これ「ちょっと」ていうの重要。
こういう「ちょっと」みたいなの好きだなー。
「そこまで良くないけど、まあ悪くないじゃん」みたいに、
ちょびっとだけニンマリみたいな微妙なバランス。
最近アルバムも出たっぽい。




『Walls』Apparat

これもドイツに来て間もなくCDを買った。
最初に1曲目を聴いた時からやられた。
音がえらくかっこいい。
しばらく聴いているうちにほとんど飲み込まれてしまった。
このアルバム、空間バランスのミックスがすごくて、
とにかくかっこいい音が重なって、波になってやってくる。
MacBookのスピーカーとかで聴いてたら、
そこまでこういう感覚はなかったかも知れない。
ちょっと集中してヘッドホンで聴くと結構ゆさぶられる。
ジャンルはエレクトロニカなんだけど、
音の幅は広いし、楽しめた。




『Glasshead』BoyLessOrdinary

以前この曲を見つけて、すぐに気に入って
Tumblrに入れといたんだけど、
調べたらどうやらアメリカのインディーズバンドらしい。
特に目新しいことをしてる曲じゃないし、
素朴なんだけど、飾り気のない素直できれいな曲。
アレンジなんかもうちょっとどうにかなるんじゃないか
って思うけど、日常の隙間に静かに流れてくような
サビのメロディーだけでも十分だし、このくらいの完成度が
かえってちょうどいいのかも。
これ今のところこっちじゃCDとか買えないし、
なかなか手に入らないかも知れないけど、
MySpaceで聴ける。
粗削りできれいな曲だ。




『Ladies And Gentlemen We Are Floating In Space』Spiritualized

最後は説明のいらないSpiritualizedの傑作アルバム。
1997年発表だって。
もうそんなに聴いてるのかって、少しびっくりした。
だって未だにというか、つい最近だって聴いていたし。
Spiritualizedって今年サマーソニックにも来日して、
今も現役でやってるんだけど、なんかチェックする気にならなくて
ずっとこのアルバムばかり聴いている。
けど最近は昔ほど、いい音楽を探す事に熱心じゃなくなったのかも
知れない。
考えたら当時はそこにかけては異常な情熱を持っていたなあ。
むさぼるように探しては聴きまくってた。
そうやって欲求をみたしてたんだから。
いちいち興奮して、いちいち刺激的だった。
このアルバムもそうやって見つけた1枚。
オーケストラ使ったり、逆にノイズ使ったりしながらも、
ベースはギターとかドラムのバンドサウンド。
Jason Pierceのボーカルとコーラスワークもあって、
ちょっと大げさなアレンジしてるようにも思えるんだけど、
そんなのどうでもよくなって、もうどうにでもしてくれってなる。
いい夢を見れそうな気がして、昔はこれかけて寝るのがお決まりだった。
”Ladies And Gentlemen We Are Floating In Space”ですよ。
この夏も、夜にこれをかけて宇宙遊泳してた。

こんな音楽を聴きながら1年が過ぎました。
夏が終わり、今日も日が暮れていくのです。