Wednesday, 27 June 2007

当たり前が奇跡

10年ほど住んだアパートの近くに
羽根木公園という、梅で有名なところがあった。
時期になると、駅の周辺にまで「梅まつり」と書かれたのぼりが置かれ、
売店があったり、何か催し物も行われていたそうだ。

子供の頃、田舎で暮らしていた時は
たんぽぽとかテントウムシとか、楽しかった。
だけどいつの間にか歩みを止めなくなり、
気づかなくなった。

それが、今は美しい。

東京は緑があんまりなかった。
夜になっても明るかった。

天気のいい休日にベランダで洗濯物を干していたら、
テントウムシが1匹、到着した。
私は、しばらく部屋で遊んでもらった後、
そのテントウムシと別れた。

当たり前だった事の良さを、数少ない、
いくつかの貴重な出会いを通じて知っていった。
今では美しいと思う。

その、10年住んだ町を去る前の3月、羽根木公園に行ってみたら、
梅の花が咲いていた。